Paul Smith

2017年春夏シーズンの『ポール・スミス』ウィメンズコレクションは、ブランドの原点において欠かせないモチーフである花、なかでも「ありのままの素朴な野花」をフィーチャーし、特に友情の証や親交の手段として儀式的に用いられる花飾りからインスピレーションを得ています。
 
ポール・スミスのレガシーとも言うべき写実的なフォトグラフィックフローラルプリントは、今シーズン一転してハンドドローイング調のプリントや生地の織模様として登場し、クラフトマンシップとクリエイションを見事に融合しました。クレヨンで描いたような鮮やかなチューリップのように、花々は細やかな手仕事を通してテーラリングやドレスの上で生き生きと咲き誇ります。

カラーパレットは、サーペンタインギャラリーを訪れた際に目にしたスウェーデン出身の女性画家、「ヒルマ・アフ・クリント」の作品に見られるミューテッドカラーから大きな影響を受けています。フェミニンなムードの服と柔らかで優美な色彩とのコンビネーションが、コレクション全体に極めて美しいバランスをもたらします。
 
インダストリアルな雰囲気と相反する自然の野花があしらわれたランウェイ同様に、コレクションは一貫して実用性と機能性を合わせ持ちながらも、型にとらわれない自由な着こなしを演出するテーラリングを中心に展開し、エレガントでモダンな印象を与えます。シルエットはアンコン仕立てによって流れるように柔らかで、身体に沿った美しいラインが特徴的です。

ディテールは、複雑な折り紙を思わせるプリーツがギリシャ風のドレスにエフォートレスなムードを添える一方で、ジャケット、トラウザーズ、ドレスにいたる様々なアイテムに用いられたタイディテールによって、しなやかでスタイリッシュなマスキュリンさを演出します。
 
シューズやバックといったアクセサリーは、表現主義のアーティストたちの作品にみられる色使いに影響を受けたポール・スミスの新しいストライプ「アーティストストライプ」が、サンダルやエスパドリーユに用いられるほか、アイコニックな「コンサティーナバッグ」を含むバッグのマチやストラップにも繰り返し登場します。このストライプはまた、自由と個性の精神を表現するメンズコレクションのフィーリングをプラスし、リアルでカジュアル、そしてどこまでもオプティミスティックなコレクションを表現するうえでかかせない重要なモチーフとなっています。