Paul Smith BLACK

2016年春夏シーズンのPaul Smith BLACKは、60年代のニューヨーカーのスタイルとアメリカ人画家、エルズワース・ケリー*¹の作品からインスピレーションを得ています。
 
60年代のニューヨークを舞台に撮影された写真には、生き生きとした当時のワーキング・ウーマンが写し出されています。彼女たちは、リラックスしたムードの漂う仕立てのよいドレス、すっきりとしたシルエットのジャケットやコートを身につけ、時には大胆なプリントのアイテムやマニッシュなパンツルックなどを颯爽と着こなしています。今シーズンは、そんなスタイリッシュなニューヨーカーのスタイルから大きな影響を受けたコレクションです。
 
カラーは、スティールグレーやディープグリーンといったリッチで落ち着いたパレットをベースに、ダスティピンク、ペールイエロー、ラベンダー、アイスブルーといったフェミニンなパステルカラーが組み合わされ、コレクションに美しいコントラストをもたらします。
 
プリントは、アブストラクトなアプローチで描かれる大胆なカラーブロッキングや線画の植物など、エルズワース・ケリーの作品をイメージさせます。柔らかなタッチが特徴的な「ペインタリー・カモ」がキープリントとして登場し、ソフトな素材を用いたフェミニンなドレスやブラウスに落とし込まれます。一方で、力強い筆致で描かれた「エキゾチック・フローラル」がハリ感のある素材のトップスに用いられ、ハイサマーに映える華やかさをコレクションにプラスします。
 
ディテールは、バインディングやパッチポケット、カーブを描く縫製などがエルズワースの作品をイメージさせるグラフィカルさを加えるとともに、繊細なレースや刺繍のテクニックが60年代のロマンティックなムードをコレクションに与えています。
 
アイテムでは、ストレートなシルエットを基調にしながらもリラックスフィーリング漂うテーラードスタイルを打ち出します。マスキュリンなコートやセットアップのスタイルを中心にしながらも、ボックスシルエットのドレスやスカートといったフェミニンなアイテムも並び、コレクション全体を通して60年代のモダンなスタイルを提案します。
 
 
*¹ エルズワース・ケリー: 1923年アメリカ生まれ。鮮やかな単色のパネルを組み合わせた大胆な配置による幾何学的形態や、色相対比を意識した組み合わせによって輪郭を目立たせる作風により「ハード・エッジ派」と呼ばれる。